ブリッジセラピー
ブリッジセラピーとは、米国ルミナス社のUltrapuse(ウルトラパルス)というレーザーを用いた美肌治療で、いわゆる炭酸ガスフラクショナルレーザー治療です。
美容皮膚科で行われるレーザー治療の中では最も強力な部類に入り、主に、毛穴、ニキビ痕(凹み)の治療によく用いられます。
ただし、ダウンタイム(赤くなったり、被覆材・テープを貼る必要)がありますので、お仕事などのスケジュールを考慮していただく必要があります。
当該機器は、FDA(米国食品医薬品局)の承認を得ていますが、本邦では未承認です。医師が海外から個人輸入をしています。

フラクショナルレーザーについて
以前は、肌のドラスティックな改善を求めて一定の深さまで皮膚を面状に削り、その後、再生を促すという治療法が行なわれていました。
しかし、長いダウンタイムや併発症(トラブル)の問題があり、特に日本人の肌にはハードルの高い治療でした。
そこで、ダウンタイムや合併症のリスクを減らした上で、同様の効果を得るために開発された機器が、ウルトラパルスやフラクセルなどのフラクショナルレーザーと呼ばれる機器です。
治療概念として、面ではなく、ドット状に(隙間をあけながら)熱影響を加えていく治療ですので、複数回の治療が必要になります。(*フラクショナル fractional=分割 という意味です)
最初に登場したフラクショナルレーザー(初代フラクセル)は、ドット状に皮膚をcoagulate(凝固)していくものでした。
正確に表現すると、一定の深さのごく小さな円柱状の熱凝固した「傷」を皮膚に多数つくるものです(これをノンアブレイティブフラクショナルレーザーといいます)。
この傷が治癒していく過程を「肌の入れ替え」と表現していて、マクロ的には、肌質の改善、ニキビ痕の改善などを期待するのです。
ブリッジセラピーの特徴
ブリッジセラピーは上記のようなノンアブレイティブレーザーと異なり、皮膚の表面をドット状に蒸散させます。簡単に言えば、凝固するのではなく、穴をあけるということです(アブレイティブレーザー)。
また、ウルトラパルス炭酸ガスレーザーは水平方向に熱が拡散しにくいという特徴がありますので、蒸散層の下に皮膚の奥深くまで円柱状の熱凝固ゾーンを形成することができるのです。つまり、過剰なダメージを抑えつつ、より深部からの再生が促されるというわけです。
注)ブリッジセラピーには、図のようにDeep FX とActiveFXという2つの照射法があり、それぞれ単独で行う場合と、同時に行う場合(TotalFX )があります。


ウルトラパルス炭酸ガスレーザーを使用して皮膚をドット状に蒸散させ、入れ替えをはかり、同時にヒートショックを与えることにより、コラーゲンの生成を促進します。
結果、他の治療とは異なるニュアンスの、根本的な美肌効果がみられます。
照射密度、レーザーの深達度などを細かく調整でき、各人の症状に合わせた治療が可能です。
ブリッジセラピー後の皮膚は、レーザーの影響を受けていない皮膚がブリッジ(ネット)のように残存している状態になります。このためダウンタイムが比較的短いのです。
注)PigmentFxは、フラクショナルレーザー治療の概念には通常含まれません。

ブリッジセラピー後の皮膚再生

1.シワや皮膚内部が不均一なために、肌のハリやツヤが損なわれているお肌
2.レーザー照射で皮膚に小さな穴をあける
3~4レーザー照射後、皮膚の創傷治癒によって徐々に穴が修復される
5.穴が完全に塞がり、ハリのある皮膚になります。
※ 2 穴をあけるだけでなく、その下に凝固ゾーンをつくります。
そのため、再生は表面だけではなく、より深い層から起こります。
ノンアブレイティブレーザーとの違い
・1回あたりの治療効果が高めです。
・お顔のタイトニング(引き締め)効果も比較的強めです。
・より強い治療になりますので、ダウンタイムが長く、数日は滲出液が大量に出ることがあります(特にActiveFXやTotalFX)。
ダウンタイム、併発症
個人差や治療強度にもよりますが、DeepFxのみの場合、赤みは3~7日程残ります。24時間後よりメイク可能になりますが、実際はカバーするのは難しく、皮膚に対する刺激も好ましいものではありませんので、可能であれば5日ほどメイクはお控えください。
ActiveFx もしくはTotalFxの場合、カサブタが5日ほど残り、赤みは1~3週間継続します。メイクは5日間はできないとお考えください(湿潤療法を徹底して行うとカサブタは生じませんが、被覆材による副作用が生じる場合があります)。
まれに治療部位にニキビが多発することがあります。
色素沈着が発生することがあります。
治療をお受けになれない場合
・ 妊娠している方、授乳中の方
・ 過去1年以内にアキュテインを服用した方、抗凝固剤を使用している方
・ケロイド体質の方、傷の治りが悪い方
・リドカイン(麻酔薬)アレルギーのある方
・ 膠原病、糖尿病、免疫不全、血液の凝固障害、悪性腫瘍の治療中の方など
・ 1ケ月以内に、治療する部位に他の治療を受けている方
・瘢痕形成のリスクを承諾できない方
・ 金の糸が入っている方
その他、医師が本治療の適応ないと判断した場合
*注意
日焼けをされていますと、治療ができません。
ピーリングやトレチノイン治療(ビタミンA誘導体含有化粧品)は2週間前から中止してください。
治療費
DeepFxのみ
全顔 80,000
両頬 60,000
首 40,000
TotalFx
全顔 95,000
両頬 75,000
内服薬 3,000
麻酔代 2,000