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​ミラドライ 

ミラドライ(miraDry)は、5.8GHzのマイクロ波を用いて、腋窩の汗腺領域に熱作用を加える医療機器です。

日本国内では、医療機器承認番号23000BZX00161000として、重度の原発性腋窩多汗症を対象に承認されています。PMDAの審査報告書でも、本機器はマイクロ波によって真皮深層を加熱し、エクリン汗腺を焼灼・凝固することで、重度の原発性腋窩多汗症を治療する装置とされています。

 

米国ではFDA clearanceを取得しており、腋窩多汗症(2011年)、腋毛減少(2015年)、さらに腋臭軽減(2016年)に関する表示が認められています(原発性腋窩多汗症治療に用いた場合、腋臭も軽減し得ることもFDA文書に明記されています)

多汗症では主にエクリン汗腺が関与し、腋臭症の主な原因は、アポクリン汗腺からの分泌物が皮膚常在菌によって分解される際に生じる代謝産物にあります。両者は病態としては異なりますが、腋窩においては両者の汗腺系構造が真皮深層から皮下組織浅層にかけて、ほぼ同じ深さに分布する(文献リンクためミラドライによる熱作用により、発汗量の減少と臭いの軽減が期待できます。

国内における薬事承認上の主対象は、重度の原発性腋窩多汗症ですが、実臨床上、腋臭に関しても、多汗症と同等の改善度が得られているというデータがあります。ただし、臭気に対する感受性、皮膚常在菌、衣類、生活環境、体質等の影響を受けるため、効果についての認識には個人差があります。厚労省の立ち位置も、この点を考慮したものと推測されます。

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​汗腺に関して
汗腺は、図のように、皮膚の深層から脂肪層にかけて存在します。
エクリン汗腺は、ワキに限らず、ほぼ全身の皮膚に存在します。エクリン汗腺から出る汗の成分は、ほとんど水分で、体温調整に関与しています。一方、アポクリン汗腺は思春期から活性化し、ワキ、耳孔、乳輪、陰部など特定の部位にのみ存在します。
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臭いの原因
「腋臭・ワキガ」とは、ワキにあるアポクリン汗腺から出た脂質を多く含む汗が、皮膚に常在する細菌によって揮発性ステロイド、不飽和脂肪酸などに分解されて、特有の臭いを発生する状態を指します。
​ワキガの発症時期
ワキガは遺伝的要因が関与し、通常、ワキ毛が生え始める思春期に発症し、20代でピークを迎えます。その後は、壮年期以降に徐々に軽減する傾向があります。一方で、思春期を過ぎてからワキガが新たに発症することはまれです。遺伝に関する詳細な説明(リンク)は最後にまとめました。ご興味がある方はご覧ください
頻度
人種により腋臭の発生頻度は異なり、日本人の場合は、欧米人に比べてかなり低く、10%程度というデータがあります。
​ミラドライのテクノロジー
ミラドライはマイクロ波によって、エクリン汗腺とアポクリン汗腺を同時に破壊します。
マイクロ波というエネルギーソースを用いた治療自体は腫瘍に対するスタンダードな治療の一つとして、多くの施設で数十年前から実践されています。そのため人体に対する生体反応は長く研究されており、信頼性の高い技術と言えます。
汗腺に対する実効的な選択性は、ミラドライで用いられているマイクロ波の周波数特性によります。組織は周波数に依存して比誘電率、導電率が変化しますが、ミラドライが使用している5.8GHzの周波数では、比誘電率・導電率ともに皮膚の方が皮下組織(脂肪)よりはるかに高値となります。

結果として、皮膚上で照射されたマイクロ波は皮膚と脂肪組織の境界面で反射されます。そのため、この反射波と皮膚面から照射されたマイクロ波が汗腺組織(エクリン汗腺とアポクリン汗腺)の存在する層付近ー真皮と皮下組織(脂肪組織)の境界面~浅層ーで強め合う干渉を起こすことになります(正確には、そのように調整されています)。この現象を利用し、汗腺組織の存在する層に集中して熱作用が生じ、その他の組織には許容量を超える熱が加わらないような設計となっています。つまり、結果として、汗腺を熱破壊することができるということです。

*ミラドライ治療理論に関する論文  (Abstract)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22127730/ (Full)https://x.gd/BLEYW
     ブログ記事で解説しています

RESULTS... power is preferentially absorbed in the dermal layer in the region near the dermal/hypodermal interface.
​ という記載があります。

​*付録、治療理論(リンク)このページの最下段にあります。


 
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​当院のミラドライの特徴
​広範囲かつ高エネルギー量の照射
当院では、安全性を最優先しつつ、各患者様の状態に応じて最適な治療を提供しています。治療効果を最大化するため、必要に応じて重複照射も行っております。そのため、治療時間が通常より長くなる場合がございますが、できるだけ1回の治療でご満足いただけるよう、丁寧な治療を心がけておりますので、ご理解いただけますと幸いです。
*当院のミラドライはレベル8までの照射が可能です。より深層まで熱影響を与えうるレベル8での照射を基本的に行います(もちろん、皮膚や汗腺存在層の厚みが薄い方は調整しています)。そのうえで、強化照射の場合は、必要だと考えられる部分に追加照射を行うというイメージです。
ミラドライの効果(汗・臭いの減少率)は1回の治療で平均70%~80%程度です。


​* レベル8プロトコルについて
色々と誤解があるようですが、古い型のミラドライでも、ましてや「試作機」などではありません。
詳細は同ページの下に追記いたします(リンク)

私自身はもともと美容外科医であり、吸引法・せん除法等の手術に10年以上携わり、多くの治療実績がありますが、症例数の多い熟練した医師が、直視下で汗腺組織を切除したとしても、90%以上の減少率を得ることは現実的には厳しいものあります。
治療に伴うトラブルは手術に比し、ミラドライの方が明確に少なく、ダウンタイムも軽度です。そのため、私自身は手術は一切行わなくなりました。よって、当院では、従来の手術同等の持続的な効果が期待できる多汗症・腋臭症治療として、ミラドライを第一に推奨しています。
​院長が、診察から治療、フォローまで一貫して行います

腋窩の皮膚の厚さや汗腺の存在する層の深さ・厚みの個人差は意外に大きいため、ケースに応じた適切なレベル設定や重複(ダブル)照射に関する判断には、相応の臨床経験が必要となります。

また、ミラドライは、汗腺組織を熱破壊する治療であり、治療後のダウンタイムが比較的長く、さらに副作用・併発症もあり得る治療です。したがって、当然のことですが医師が行うべき治療だと考えており、当院では、診察、麻酔、治療、アフターフォローまで院長が一貫して行っています。

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診療の流れ
​初診
多汗症または腋臭症の程度を診察にて確認いたします。また、治療法、治療効果、治療後の注意事項、ダウンタイム、併発症、費用などを詳しくご説明いたします。

注:診察日当日は、制汗剤の使用はお控えください。長期作用型の制汗剤をお使いの場合は、その有効期間に応じて使用を中止してください。
​剃毛
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ワキの永久脱毛をされていない方の場合、治療の3日前に腋毛の処理をしていただきます。また、剃毛による切傷により蜂窩織炎(感染症の一種)も報告されていますので、清潔な器具で慎重に行うようにしてください。
​治療当日
​抗菌薬内服・麻酔
治療用ベッドに横になっていただく前に、抗菌薬の内服をしていただきます(術後感染症の予防的投薬に関しては、治療開始から終了後数時間が効果的だというエビデンスがあります。理想的には静注・点滴ですが・・・当院では術直前に内服していただきます)。臥位にて上肢を挙上していただき、治療範囲を安全な範囲で可能な限り広範囲に設定します。次に同部に局所麻酔注射を行ないますが、痛みを抑えるために極細の針を用い、注入法も工夫*をしています。また、必要であればゲートコントロール理論に基づき振動による疼痛の軽減を図ります。

*片ワキあたり、2か所に極細針で麻酔を行い、そこから先の尖っていない長めの針で、治療予定範囲に、麻酔薬を散布するかのように広げていきます。この長めの針で行う操作は、ごくゆっくり行うため、強い痛みを伴うことはありません。
マーキング
1回の治療で最大限の効果が得られるように治療範囲を安全な範囲で広範囲に設定します。アポクリン汗腺は腋毛に付随して存在していますので、ある程度限局していますが、エクリン汗腺はほぼ全身に分布しています。かといって、どこまでも拡大することはできません(海外において適応外治療で重大事故も発生しています)。よって安全な範囲でできるだけ広範囲ということになります。
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​マイクロ波照射
マイクロ波を照射していきます。麻酔が十分効いていることを確認しつつ行いますので、お感じになる感覚としては、皮膚をつままれる感じ、吸引される感じ、場合によっては、暖かい感じがある程度です。安全性を確保したうえで、適切な治療強度で治療を行っていきます。
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​治療直後
15分ほど冷却を行います。包帯・固定などの後処置は不要です。念のため、治療後の内服薬として、抗菌薬*と鎮痛剤を処方いたします。 注:冷却用の保冷剤を2つ差し上げますが、交換用に腋に挟める程度の大きさの保冷剤(冷凍庫に入れても固くならないタイプのもの)を、あらかじめ2つご用意ください。また、直接、腋にあてられますと凍傷の危険がありますので、ガーゼなどで覆ってご利用ください。

*術後抗菌薬に関する予防効果やバイオアベイラビリティの件を鑑み、意見は分かれるところだと思いますが、これまでの経験上、当院では処方しています。
ダウンタイム、併発症
術後、数時間ほどすると腋に痛みが生じ始めますが、ほとんどの場合、冷却だけで治まります。当日は予定など入れずに、すぐに帰宅されて安静にお過ごしください。同時に、処方した抗炎症剤も内服してください。

痛みと同時に、ワキとその周辺(腕、胸部)に腫れ・むくみが生じ、経時的に手や腹部の方まで下降してきます。肩まわりのゆったりした、前開き、長袖の服をお召しになってください。
また、腫れによってボールが挟まったような違和感があり、腋を締める動作が困難になりますので、無理に車等の運転はなさらず、治療後1週間は、飲酒、入浴も控えください。シャワーは当日から可能ですので、治療部位を清潔に保つよう心掛けてください。ただし、腋にソープをつけて洗浄するのは翌日からとなります。また、スポーツ・運動は1か月はお控えください。
*事務系のお仕事の方でも、翌日はお休みをおとりになることを強く推奨します。

治療後しばらくすると、皮膚・皮下脂肪層と筋膜との癒着が生じ、皮膚の固さ、腋がつっぱる感じや索状物が見られることがあります。これを改善するために、治療4週間後から肩・腕のストレッチを徐々に始めていただきます。また、腋の皮膚に凹凸、結節・しこりが生じ、さらに知覚鈍麻や軽いしびれ感、色素沈着が生じる場合がありますが、数か月~1年で自然に改善します(症状の程度、回復期間は個人差があります)。もし、治療経過で気になることがございましたら、随時院長がフォローいたします。

 
*国内で2023年時点で10万件の治療実績がありますが、重大な合併症はほとんど報告されていません。ただし、上肢の神経障害の報告が数例あります(因果関係は現段階で不明)。また適応外使用ーワキ以外の臭気の治療にミラドライを用いたー結果、重大事故が発生したという報告があります。

非常にまれながら(1%未満)感染症・膿瘍、血腫、しょう液腫、熱傷などが生じ、(外科処置を含む)長期の通院が必要となる場合もあります。また、術後膿瘍の実態が化膿性汗腺炎(非感染症)だとする見解もあるようですが、現段階では因果関係は不明です。

**上記のように、当院では、ミラドライに関する生活・行動制限として、治療後1週間の入浴ならびに飲酒の禁止。治療後1か月のスポーツ・運動の禁止をお願いしております。また、特に治療後1か月以内は治療部位のマッサージやストレッチもあえてお控えいただき、バックパックやショルダーバックなど、ショルダーストラップがワキ付近に接触・圧迫する荷物はお持ちにならないようにご説明しています。
これらは、これまで2000例を超える治療経験から、治療後トラブルを最小化するためにお願いしていることです。


ネット上の情報では「治療後数日で通常通りの生活に戻れます」などという楽観的な見解が見られますが、残念ながら、そのようなケースはむしろ例外的です(治療範囲をせまくして、治療強度を弱くすれば可能かもしれません)。

・1週間ほどは、周囲の人がはっきりわかるような上肢のむくみや腋を閉じることができないことによる違和感のある上半身の体勢が目立ちます。また、上肢の挙上が十分に行えないため、電車の吊革は持てず、車の運転も危険が伴い、プルオーバーの服を着ることも困難な状態になる場合があります。

・当院の場合、同居家族の方に内緒にしてお受けになる方も半数ほどおいでになり、隠し通されているようですが、可能であれば術前にお話しになり、術後の辛い時期には、ご家族の方にご協力いただくのがベターだと思われます。

・ダウンタイムについては、手術に比して、かなり軽度であることは事実ですが、ワキボトックスや脱毛のような低侵襲の治療ではありませんので、不正確な情報に振り回されないようしてください。

​・当院では、術後フォローの観点から、都内および隣県の方のみ治療を承っています。
​治療をお受けになれない方
・妊婦の方、授乳中の方
・ペースメーカー等医療電子機器が身体に留置されている方
・はずすことができない金属製装身具をつけている方
・刺青のある方
・ケロイド体質の方、糖尿病などで傷の治りが悪い方
・麻酔薬アレルギーがある方
・加療中の病気がある方
・治療部位に病変がある方
・医師が治療の適応がないと判断した場合

また、

・多汗症、腋臭手術の既往がある方
​・腋にニキビができたり、化膿したことがある方

・広範囲リンパ節郭清手術を受けたことのある方
・腋窩切開による乳房再建術を受けたことのある方
・痩せている方などで皮下脂肪がほとんどない方
・肥満の方
・大豆アレルギーのある方(テンプレートのインクが大豆インクのため)
などは治療がお受けになれない場合があります。

​・治療後数日間は、気圧の大きな変動を受けるような行為(航空機搭乗、高地に行く等)は避けてください。
​(単一の事例ですが、術後に航空機に乗って重度の浮腫が発生したケースが報告されました)
​治療費

レベル8標準照射               242,000
レベル8強化照射*      297,000

当院治療後の再治療     176,000

*強化照射とは、重症度が高い方に対し、部分的なダブル照射を追加で行うものです。
​詳細は診察時にご相談ください。
​Q&A
Q. ミラドライでは傷が残るのでしょうか?
 
A. ミラドライ治療はメスを使用したり、皮膚に穴を開けたりすることはなく、局所麻酔後にマイクロ波の発生素子を皮膚にあて照射するのみです。そのため浮腫、皮下出血、皮膚の凹凸(しこり・小結節)、硬化、索状物、感覚の変化などが一時的に生じることはありますが、感染症等のトラブルが生じない限り、基本的に傷は残りません。
Q. ミラドライはマイクロ波という電子レンジと同じ原理だそうですか、ヤケドすることはないのでしょうか?
 
A. ミラドライは5.8GHzのマイクロ波を用いる治療であり、マイクロ波を組織内で熱に変換するという点では、電子レンジと共通する物理現象を利用しています。ただし、ミラドライは腋窩治療用に設計された医療機器であり、吸引により腋窩の皮膚・皮下組織をハンドピース内に固定し、表皮を冷却しながら、真皮深層から皮下組織浅層に存在する汗腺領域へ熱作用を加える構造になっています。そのため、皮膚表面の熱損傷を抑えながら、汗腺領域に必要な熱作用を加えることが可能です。しかし、熱作用を利用する治療である以上、熱傷のリスクが完全にゼロになるわけではありません。
Q. レーザー脱毛を受けていますが、ミラドライはできますか?
 
A. ミラドライ治療は、直近のレーザー脱毛から少なくとも1か月ほど間隔をあける必要があります。また、ミラドライ後は、基本的に3か月間はレーザー脱毛をお受けにならないでください。なお、ミラドライ自体にも減毛効果があります。レーザー脱毛が可能か否かは皮膚の状態にもよりますので、脱毛前に医師の診察をお受けになってください。
Q. 黄ばみもなくなりますか?
 
A. 衣類のワキ部分の黄ばみは、汗のみが原因で生じるわけではありません。アポクリン汗腺由来の脂質、エクリン汗による湿潤、皮脂、皮膚常在菌による分解産物、制汗剤・デオドラント剤の成分、衣類側での酸化や洗濯残留物等、複数の要因が関与します。したがって、ミラドライによる汗腺の減少により黄ばみが改善する可能性はありますが、完全に消失するとは限りません。
Q. ワキ毛は減りますか?
 
A. 
ミラドライは脱毛を主目的とした治療ではありませんが、汗腺領域に加わる熱作用が毛包周囲組織にも及ぶため、治療後にワキ毛が減少することがあります。減毛の程度には個人差がありますが、実臨床上、明らかな毛量減少を認める方は少なくありません。症例によっては60〜90%程度の減毛を実感されることもありますが、すべての方に同程度の減毛が生じるわけではありません。ミラドライは、レーザー脱毛のように毛包を選択的に標的とする治療ではありません。そのため、ワキ毛の減少はあくまで汗腺領域への熱作用に伴う副次的な変化であり、脱毛効果を保証するものではありません。
Q. ミラドライは未成年でもできるのでしょうか?
 
A. ある程度身体が大きく、治療内容やダウンタイム、デメリットを十分理解されて、治療にご協力いただければ治療自体は可能です。しかし、身体の成長過程において、発汗量、臭気、汗腺機能、腋毛分布が変化することがあります。そのため、成人と比べると治療後の長期的な変化を予測しづらく、将来的に再度症状が気になったり、結果、再治療を検討する可能性があります。また、未成年の方では保護者の同意が必要です。
Q. 片側だけでも治療できるのでしょうか?
 
A. 可能です。ただし、ミラドライ治療では、片側治療でも両側治療と同様の機器消耗品が必要となります。そのため、費用は単純に両側治療の半額ではなく、標準照射154,000円。強化照射187,000円(いずれも税込)となります。
Q. 多汗症・ワキガの手術ではありませんが、ワキに手術やケガの傷跡があります。ミラドライは受けられますか?
 
A. 
ワキに傷跡がある場合でも、必ずしもミラドライができないわけではありません。ただし、手術や外傷による瘢痕、癒着、皮下組織の硬さがある場合、汗腺組織が存在する皮膚深層~皮下組織浅層にミラドライによる適切な熱分布を形成できない可能性があります。そのため、診察で腋窩の状態を確認したうえで、治療可能かどうかを判断させていただきます。
特に、広範囲の腋窩リンパ節郭清を受けたことがある方、腋窩切開を伴う乳房再建術を受けたことがある方、術後リンパ浮腫の既往がある方では、術後の腫れ、リンパ浮腫悪化、感染症等のリスクを慎重に考える必要があります。これらに該当する場合、当院では安全性を優先し、原則としてミラドライをお薦めしていません。
Q. ペルラクリニックでは、ミラドライを看護師が施術をするのですか?
 
A. 
いいえ。当院では、院長がすべての方を担当いたします。
ミラドライは、機器操作だけを見れば定型化された治療に見えるかもしれません。しかし実際には、治療効果と安全性は、診察、適応判断、照射範囲の設定、局所麻酔、皮膚・皮下脂肪の厚みの評価、吸引固定の確認、照射レベル、追加照射の要否、術中の痛みやしびれの確認等、医師が介入すべきポイントが多くあります。
特に、レベル8照射や強化照射においては、単に治療強度を上げればよいというわけではありません。臨床効果の最大化を図りながら、過剰な熱負荷にリスクを抑える必要があります。そのため当院では、診察からマーキング、麻酔、照射、術後フォローまで、院長が一貫して担当します。
Q. ミラドライは、痛くありませんか?
 
A. 
ミラドライは局所麻酔下に行うのが前提です。麻酔注射の段階で、針を刺す際の痛みや、麻酔液が皮下に広がる際の圧迫感、膨満感、軽い痛みを感じることがありますが、ミラドライの照射そのもので強い痛みを感じることは通常ありません。ただし、まれに照射中に熱感、痛み、しびれ感、放散するような違和感を感じることがあり、必要に応じて麻酔の追加、照射設定の調整等を行う場合もあります。

当院では、全身麻酔等、意識がなくなるような深い鎮静下でのミラドライ治療は行っていません。術中の痛み、熱感、しびれなどの反応は、安全に治療を進めるための重要なフィードバックだからです。
Q. ミラドライ治療前に準備することがありますか?
 
A. 
ワキ毛の処理が必要な方は、治療の3日前に行ってください。ただし、カミソリで強く剃ると、毛嚢炎や感染症の原因になることがあります。特に剃毛に慣れていない方は、皮膚を傷つけないように注意してください。可能であれば、清潔な電気シェーバーなどを用いて、慎重に行ってください。

治療直前の深剃り、除毛クリーム、ワックス脱毛は避けてください。赤み、湿疹、かぶれ、毛嚢炎、傷等がある場合は、治療を延期する場合があります。

また、治療当日は制汗剤、デオドラント剤、香水等は使用せずにご来院ください。

Q. ミラドライが終わった後、包帯固定、テープ固定は必要ですか?
 
A. 
包帯固定やテープ固定は行いません。治療後は院内でしばらく冷却し、問題がないことを確認したうえでご帰宅いただけます。ミラドライは皮膚を切開する治療ではないため、手術後のような圧迫固定や創部固定は基本的に不要です。
Q. ミラドライの治療後、何日くらいで通常の生活に戻れますか?
A. 軽い日常生活の動作であれば、治療当日から可能です。ただし、治療後数時間ほどで、ワキ、上腕に腫れやむくみが生じ始め、経時的に重力方向に浮腫は広がっていきます。腫れが強い時期(治療後1週間)は、ワキに違和感があり、ワキを閉じにくい・腕を挙げづらい等、動作が不自由になる場合がありますので、車、バイク等の運転は控えてください。また、飲酒、入浴、サウナ等、血流が増加・活性化するような行為は、治療後1週間程度は避けてください。シャワーは当日から可能ですが、治療部位を強くこすらないようにしてください。
なお、筋トレーやスポーツ等の運動は、治療後1か月程度控えていただきます。

 

腫れやむくみは1か月程度で消失していきますが、硬さ、しこり、つっぱり感、知覚鈍麻、軽いしびれ感は数か月~1年ほど残ることがあります。経過に不安がある場合は、随時診察させていただきます。

Q. ミラドライによる副作用・合併症には、どのようなものがありますか?

A. 治療後初期に
比較的よくみられる反応として、腋窩の腫れ・痛み、上腕内側、胸部外側、腹部側面にかけてのむくみ、皮下出血等があります。多くは経時的に軽快しますが、皮膚の硬さ、しこり・結節、つっぱり感・索状物、知覚の変化は数か月~1年ほど残る場合があります。
まれな合併症として、熱傷、血腫、漿液腫、感染症・膿瘍、神経障害が報告されています。特に治療後1〜2週間前後で、赤み、熱感、痛みの増強、腫れの悪化、膿、発熱などが生じる場合には、感染や膿瘍の可能性があります。感染症の治療にあたって、外科的処置が必要となり、結果傷跡が残ってしまうリスクもございます。
また、治療後の冷却にも注意が必要です。保冷剤を皮膚に長時間直接あてると、凍傷を起こす場合があります。冷却する際は、必ずガーゼやタオルで介して行ってください。
*ミラドライを腋窩以外に適用したケースで、重大事故の報告がありますが、そもそもミラドライは腋窩以外を治療するようには設計されていません。
Q. 手の多汗症やスソワキガも治療できますか?

A. 
いいえ。当院では、腋窩以外の部位にはミラドライを行っていません。
ミラドライは、腋窩に対する使用を前提として設計された医療機器であり、日本国内でも重度の原発性腋窩多汗症を対象として承認されています。手掌、足底、陰部、乳輪部等に対するミラドライ治療の安全性は確立していません。また、会陰部・性器・肛門周囲への適用外使用例において重大事故が生じたケースが海外で報告され、日本皮膚科学会からも適正使用に関する注意喚起が出されています。
Q. ミラドライ後、しびれが残ることはありますか?

A. 
ミラドライ後には、ワキから上腕内側、肘付近にかけて、皮膚の感覚が鈍くなる、触った感じが普段と違う、といった違和感が生じることがあります。多くは一時的なもので、数か月~1年かけて徐々に改善します。これは、ミラドライが腋窩の皮膚・皮下組織に熱作用を加える治療であり、汗腺領域の近くを走行する細い知覚神経にも一時的な影響が及ぶためです。一方で、非常にまれですが、腕や手の動かしにくさ、筋力低下等の運動障害が数例報告されています。
Q. ミラドライの治療で出血はありますか?

A. 
ミラドライは外科手術のような出血は通常ありません。治療前に局所麻酔を行うため、麻酔注射の針穴から少量の出血がみられることがありますが、通常は圧迫で容易に止血します。また、ミラドライでは皮膚・皮下組織を吸引固定しながらマイクロ波を照射します。そのため、皮下出血が生じる場合があります。皮下出血は、紫色から黄色へ色調が変化しながら、一般的に1〜2週間程度で徐々に消失します。
まれに、治療後急性期の運動、急激な腕の動き、外的刺激等をきっかけに、皮下に血液がたまる血腫を生じることがあります。この場合は、処置が必要になります。抗凝固薬や抗血小板薬を内服している方、出血しやすい体質の方、血液疾患のある方は、事前に必ずお申し出ください。
Q. 腫れは目立ちますか?

A. 
治療後は、ある程度腫れやむくみが生じるとお考えください。治療後数時間すると、腋窩に腫れが生じ、ボールを挟んでいるような違和感が生じることがあります。また、腫れ・むくみは、上肢から体幹にまで広がる場合があり、腕の動きが制限されることもあります。外見上も、肩回り、胸部周囲がやや膨らんで見えることがありますので、治療後1週間程度は、肩周り・袖まわりに余裕のある服、締め付けの少ない長袖の服を着用されることをお薦めします。腫れやむくみは、通常1週間前後でかなり落ち着いてきます。ただし、自覚的なむくみは数週間~1か月ほど続く場合があります。

Q. ミラドライ治療後に旅行を計画しています。温泉に入っても大丈夫でしょうか?
 
A. 
治療後1週間程度は、温泉はもちろん、ご自宅の湯船につかること、サウナ、飲酒等、血流が過度に良くなることは避けてください。腫れ・むくみが強くなったっり、ダウンタイムが長引く可能性があります(シャワーは当日から可能です)。1週間以上経過すると、腫れ・むくみはかなり落ち着くことが多いのですが、皮下出血、腋窩皮膚のしこり・凹凸、つっぱり感・索状物は数週間から数か月ほど残る場合があります。友人や家族と温泉に入る予定がある場合、見た目が気になる可能性もあります。重要なイベント等を予定されている場合は、余裕をみてスケジュールを調整されることをお薦めいたします。
Q. ワキの部分の汗や臭いが減ると、他の部位の汗や臭いが増すようなことはありませんか?
 
A. 手の多汗症の治療(胸腔鏡下胸部交感神経切離術)では、きわめて高率に他部位の汗の量が増える(代償性発汗)がみられます。一方、ミラドライの場合、腋の部分にあるエクリン汗腺とアポクリン汗腺のみを破壊する治療で、神経を対象とする治療ではありませんので、特定の部位の汗が増えることはございません。
同様に、腋臭が改善した分、他の部位から腋臭のような臭いがするようになることはありません。
Q. ミラドライ治療後、臭いが変わって、気になるということはありませんか?
 
A. 
ワキの臭いは、アポクリン汗腺由来のいわゆる腋臭だけで構成されているわけではありません。エクリン汗腺由来の臭い、皮脂、衣類についた臭い、洗剤・柔軟剤、制汗剤、生活環境、食事内容、加齢臭等、多くの要因が複合して感じられんます。ミラドライにより、アポクリン汗腺の熱作用が及ぶことで、腋臭の軽減は期待できるものの、これまでマスクされていたほかの要因による臭いが相対的に意識されやすくなることがあります。つまり、ミラドライによって臭いが悪化したというより、臭いの構成が変化し、これまで強い臭いに隠れていた別の臭いを感じやすくなる現象だと推測されます。
ただし、臭いの感じ方には個人差があり、嗅覚の感受性や不安の程度によっても変わります。ミラドライはワキ汗・腋臭の軽減を目的とした治療であり、すべての体臭をなくす治療ではありません。その点をご理解いただいたうえで治療をお受けになってください。
Q. ミラドライは医療費控除の対象になりますか?

 A. 
医療費控除の対象となる可能性があります。
医療費控除は、医師による診療または治療の対価について認められる制度です。ただし、医療費控除の対象になるかどうかは、治療目的、申告内容、個別の税務判断によって異なるため、当院が控除の適用を保証するものではありません。申告を希望される場合は、領収書を保管のうえ、詳細は税理士または所轄の税務署にご確認ください。
Q. ワキのボトックス注射を最近他院で受けたのですが、ミラドライはすぐに受けられるのでしょうか?

 A. ボトックス注射直後の皮下出血、腫れ、痛み等の症状がある間ーいわゆるダウンタイム中の場合ーは、ミラドライは行えません。それらの症状が消失すれば、ミラドライ治療を実施すること自体は可能です。
一部に、ミラドライによるマイクロ波は汗腺内の水分をターゲットにするという誤解がありますが、実際は、詳細な電磁場シミュレーションに基づき、真皮層と皮下脂肪層の境界領域に最大のエネルギー吸収が生じるよう最適化されている機器です(上の「ミラドライのテクノロジー
」をご参照ください。また、ミラドライとボトックスは作用機序がまったく異なりますので、ボトックス治療がミラドライの効果に悪影響を及ぼすことはありません。
治療範囲の設定についても、当院の治療設計の手法では実務上問題になることはありません。詳しくは、診療時にご相談ください。
アンカー 1
Q. ミラドライは腋臭(ワキガ)に効果がないと他院で言われたのですが・・・

A. 「ミラドライはワキガには効果がない」という説明は、不正確です。

正確には、ミラドライは日本国内では「重度の原発性腋窩多汗症」を対象とする医療機器として承認されており、腋臭症は国内薬事承認上の適応には含まれていません。そのため、医療機関によっては「ワキガ治療としては承認されていない」「ワキガには適応外である」と説明されることがあります。しかし、それは「ワキガに対して医学的に効果がない」という意味ではありません。

ミラドライは、腋窩の真皮深層から皮下組織浅層に存在する汗腺領域へ熱作用を加える治療です。ワキガの主因であるアポクリン汗腺もこの領域に分布するため、エクリン汗腺と同時に熱破壊を受け、臭気の改善が見られます。
(アポクリン汗腺は、エクリン汗腺より深いので効果がないとする安直な主張もありますが、両汗腺の存在深度はほぼ同一です→データ Fig2)

米国FDAの510(k)文書でも、miraDry System MD4000は原発性腋窩多汗症、腋毛除去、腋毛の長期的減少に関する表示に加え、原発性腋窩多汗症の治療として使用した場合に腋臭を軽減し得る、という表示が認められています。

日本国内の審査でも、腋臭症への適応追加は検討されています。しかし、腋臭は発汗量と異なり、客観的・定量的な評価が難しいこと、欧米人と日本人では体臭やアポクリン汗腺の背景が異なる可能性があること、提出された腋臭関連試験が国内審査上の有効性評価として十分とは判断されなかったことなどから、国内承認は腋窩多汗症に限定されました(実際、議事録も読みましたが、実臨床に携わる医師からすると、疑問を感じる内容でした)。

 
したがって、当院では次のように考えています。
ミラドライは、国内薬事承認上は重度の原発性腋窩多汗症を対象とする治療ですが、作用機序、米国で認められた表示、海外での臨床経験、実臨床における臭気軽減の実感を踏まえると、腋臭症状に対しても改善が期待できる治療です。ただし、ワキガの臭いは、アポクリン汗腺だけでなく、皮膚常在菌、皮脂、衣類、生活習慣、嗅覚感受性等にも影響を受けるため、効果には個人差があります。完全に臭いがゼロになる治療ではなく、重度腋臭症では臭気が残存したり、再治療を検討したりする場合があります。
Q. 他院のサイトにおいて、ミラドライが厚労省に腋臭症に関する承認を見送った件を根拠にして、「ミラドライはアポクリン汗腺を破壊することはできない」「ミラドライで腋臭を治療できると主張するのは詐欺だ」という記載が見られますが、これは正しい見解なのでしょうか?

 A. 学術的に不正確です。ミラドライの治療理論や各種論文を読んでいないか、マーケティング的誘導だと思われます。

まず、ミラドライは、エクリン汗腺だけでなくアポクリン汗腺にも作用することが組織学的検証に基づいて確認されています。電磁場シミュレーションや術後の組織学的な検証では、アポクリン汗腺が実際に破壊され、腋臭症に対しても一定の効果があることが示されています。中国などアジア圏の研究でも、ミラドライが腋臭の治療において効果を示していると報告されています​。

厚生労働省が腋臭症に関する承認を見送った理由は、アポクリン汗腺に対する物理的効果が不足しているからではなく、主に臨床試験の評価方法、特に腋臭の主観的な評価や民族的な違いを考慮した結果です​。

つまり、科学的にはアポクリン汗腺が破壊されることは明確であり、臨床効果も一定程度あるものの、全ての患者に一貫した効果が現れるという確証が審議官の認識上、不足していたことが主な要因だと推測されます。

したがって、「ミラドライがアポクリン汗腺を破壊できない」「詐欺だ」という主張は学術的に根拠がないと言えます。さらに言えば、治療効果に個人差があることや、評価の困難さが存在するものの、腋臭治療における可能性を全否定することは不適切であり、根拠なき誹謗中傷です。

  

参考文献(論文紹介)
Comparison of Microwave-Based Therapy and Negative-Pressure Suction-Curettage for Axillary Hyperhidrosis and Bromhidrosis: A Retrospective Analysis
(ミラドライと吸引法の比較;ブログ記事

Minimally invasive approaches to axillary osmidrosis treatment: A comparison between superficial liposuction with automatic shaver curettage, subcutaneous laser treatment, and microwave-based therapy with a modified technique
(ミラドライ、シェービング法、皮下レーザー法の比較; ブログ記事


A single session of high-energy microwave axillary hyperhidrosis and osmidrosis therapy: Key pretherapeutic assessment and outcome analysis
(ミラドライの1回の治療効果;ブログ記事


A prospective clinical and histologic study of axillary osmidrosis treated with the microwave-based device
(ミラドライの腋臭症治療への応用について詳細な組織学的研究;ブログ記事

Impact of microwave thermolysis energy levels on patient-reported outcomes for axillary hyperhidrosis and osmidrosis
(マイクロ波エネルギーレベルー治療強度ーの差異が、腋臭症および多汗症の改善度に与える影響;ブログ記事

Clinical Evaluation of a Microwave Device for Treating Axillary Hyperhidrosis
(多汗症への効果だけでなく、腋臭症に対する長期的な効果についても詳細な検証;ブログ記事

Subclinical effects of botulinum toxin A and microwave thermolysis for axillary hyperhidrosis: A descriptive study with line-field confocal optical coherence tomography and histology
​(非侵襲性のイメージングツールであるLC-OCTを用いて、腋窩多汗症に対するA型ボツリヌストキシン注射とミラドライの効果を比較研究;ブログ記事

Clinical efficacy of microwave in the treatment of axillary osmidrosis and primary hyperhidrosis
​(腋臭症と多汗症に対するミラドライの臨床的効果; ブログ記事

Pathological Changes in Axillary Hyperhidrosis and Axillary Osmidrosis Induced by Microwave Treatment: Comparison of Single- and Double-Pass Irradiation
(ワンパス照射とダブル照射の比較:病理学的検証;ブログ記事)

A case series evaluating microwave-based therapy for axillary hyperhidrosis and bromhidrosis
(腋窩多汗症、腋臭症に対するミラドライの効果を評価;ブログ記事)

Evaluation of Quality of Life, Anxiety, and Depression in Patients with Primary Axillary Hyperhidrosis Undergoing Treatment with a Microwave Device: One-year Follow-up
​(ミラドライ治療によるQOL、精神状態の改善について ;ブログ記事
 
The application of microwaves in axillary hyperhidrosis: Curative effect observation of a pathological examination over 1 year
​(ミラドライの治療効果。1年間の病理学的検証;ブログ記事


Impostor phenomenon is a common feature among individuals with primary hyperhidrosis
(インポスター現象と原発性多汗症;ブログ記事

Patient satisfaction after miraDry® treatment for axillary hyperhidrosis. Results of an online patient survey after miraDry® treatment to reduce excessive axillary sweating
​(ミラドライ治療の患者満足度;ブログ記事
 

A randomized, blinded clinical evaluation of a novel microwave device for treating axillary hyperhidrosis: the dermatologic reduction in underarm perspiration study
(ミラドライ治療に関するランダム化盲検試験;ブログ記事)

Botulinum toxin A versus microwave thermolysis for primary axillary hyperhidrosis: A randomized controlled trial
​(ボツリヌストキシンA vs  ミラドライ;ブログ記事

The efficacy of a microwave device for treating axillary hyperhidrosis and osmidrosis in Asians: a preliminary study
​(アジア人における多汗症と腋臭症に対するミラドライの有効性;ブログ記事

Evaluation of Efficacy and Safety of miraDry® Procedure in the Treatment of Primary Axillary Hyperhidrosis
​(ミラドライの有効性と安全性;ブログ記事

Three-Year Results Following Microwave Therapy in Patients with Severe Primary Axillary Hyperhidrosis
(重症原発性腋窩多汗症患者に対するマイクロ波治療の3年間の結果 ブログ記事
​レベル8とは?
アンカー 3

​* レベル8プロトコルについて
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  • 世界で初めて実臨床を開始したのは、意外に思われるかもしれませんが、東京にある9つのクリニックでした。
    当院もその一つです。2011年頃の話で、日本販売代理店も、現在とは異なる会社で、現代理店のJMEC社からミラドライを購入された施設は、おそらく以下の事情はご存じではないと思います。
  • 9つのクリニックにて、最初に運用していたミラドライは、現行の機器と治療ソフトは同一ですが、ハードウェアが一部異なっていました(治療効果に影響を与えるものではありません)。
  • その後、しばらくして前代理店が無償で、現行とハードウェアが同一の機体に入れ替えてくださいました。
  • それから、また数年経過した頃、前代理店の方から「治療強度を強化し、レベル8まで照射可能なソフトウェアをメーカーが新たに作成した。レベル5よりも、より深層までの治療が可能となる。安全性も担保されているので、臨床的に検証して欲しい」として、もっとも初期に導入した9つの施設のミラドライにそのソフトがインストールされました。*なぜ、この段階で、そのような事をメーカーが行ったのか・・・事情があるのですが、割愛します。
  • 各施設は、そのアップデートソフトを使用し、検証を行いました。当院も、100例ほど行い(もちろんインフォームドコンセントを得ています)、以前の手法に比し、効果は有意に向上し、有害事象の増加もありませんでした。
  • 他施設も、ほぼ同じ結論だったと聞いています。もちろん、その情報がメーカーにフィードバックされたはずで、既に導入済みの施設のミラドライにも同様のアップデートをする、という趣旨のことを前代理店の担当者は言っていたのですが、なぜか・・・ という次第です(あくまで想像ですが、純医学的な事情ではないと思います)。
     


*ミラドライの機器やレベル設定に関する誤った情報にご注意ください。「レベル8の設定がある機器は旧式」「最新版のレベル5は旧式のレベル8に相当」といった主張には科学的根拠がありませんし、メーカーも否認しています。

 
アンカー 2
腋臭の遺伝に関して

腋臭症、いわゆるワキガには、明確な遺伝的背景があります。

現在もっとも強く関与すると考えられているのは、ABCC11 遺伝子の rs17822931、すなわち 538G>A 多型です。この多型は、ABCC11 蛋白の p.Gly180Arg、通称 G180R 変異として表記されることもあります。

この多型は、耳垢の乾型・湿型と強く関連しており、一般に AA 型では乾性耳垢、GA 型または GG 型では湿性耳垢を示します。湿性耳垢に対応する G アレルは、腋窩アポクリン腺の分泌機能、および腋臭の前駆物質の分泌と強く関連しています。

ただし、腋臭症を単純に遺伝子の有無だけで説明することは不適切です。

ABCC11 は腋臭症の主要な遺伝的素因ですが、実際の臭いの強さは、アポクリン腺の数・大きさ・分泌能、皮膚常在菌叢、皮脂、腋毛、性ホルモン、衣類環境などによって修飾されます。

つまり、腋臭症は 遺伝的背景を持ちながらも、臨床的な表現型には個人差がある形質といえます。

出生時から決まっているのは、ABCC11 を含む遺伝的素因です。一方、腋臭として自覚される臭いは、通常、思春期以降にアポクリン腺の活動が高まることで顕在化します。そのため、思春期以前の小児では、典型的な腋臭症として問題になることは通常ありません。思春期以降に遺伝型そのものが新たに生じることはありませんが、発汗量、皮膚常在菌、体重変化、ホルモン、生活環境などによって、臭いの自覚や程度が変化することはあります。

遺伝形式については、湿性耳垢は、乾性耳垢に対して顕性形質として発現します。そのため、腋臭症のある方の多くでは、両親のいずれか、あるいは両方が、湿型耳垢に関連する ABCC11 の G アレルを保有している可能性が高いと考えられます。ただし、G アレルを持っていても、すべての人に臨床的に強い腋臭が出るわけではありません。また、親から子へその形質が必ず伝わるわけでもありません。

臨床的には、腋臭症の方の大多数は湿性耳垢を有します。一方で、湿性耳垢であることは腋臭症の強い手がかりではありますが、それだけで腋臭症の重症度や治療適応が決まるわけではありません。

そのため、腋臭症の診断では、耳垢の性状、家族歴、発症時期、臭いの客観的評価、発汗量、患者様本人のストレス、生活環境・対人関係を総合して判断する必要があります。

​治療理論 付録

ミラドライは、5.8GHz帯のマイクロ波エネルギーを用いて、腋窩の真皮深層から皮下組織浅層に存在する汗腺領域へ熱作用を加える治療です。

前提として、生体組織は純粋な誘電体・導電体として扱うことはできず、導電率、誘電率、誘電損失を含む複素誘電率をもつ損失性媒質として考える必要があります。

5.8GHzは、水の主たる誘電緩和周波数そのものではありませんが、その分散・損失特性の影響を受ける周波数帯にあります。よって、含水率、電解質濃度、細胞外液量、汗腺・導管・周囲間質を含む組織構造の差は、マイクロ波エネルギーの吸収差として反映されます。

 

エクリン汗腺・アポクリン汗腺は周囲脂肪組織に比べて相対的に含水率が高く、5.8GHz帯では、MHz帯RFに比べて汗腺領域と周囲組織との発熱差が生じやすいと考えられます。

もちろん、これは水分子の双極子緩和損失のみが寄与しているという意味ではありません。

なぜなら、複素誘電率をもつ生体組織内における加熱は、経時的に変化する電場が電磁エネルギーを熱として散逸させる結果であり、導電損失と誘電損失は周波数と組織特性に応じて連続的に関与するからです。

また、臨床的な選択性は、電磁的吸収特性だけで決まるものではありません。表皮冷却により皮膚表面の熱損傷リスクを抑え、Tumescent麻酔と吸引固定により、皮膚・皮下組織の厚み、含水状態、電場分布、熱容量、熱拡散条件が変化します。

つまり、ミラドライの実効的な選択加熱性は、5.8GHz帯における組織誘電特性の差、表皮冷却、吸引固定、Tumescent麻酔、照射範囲と照射レベルの設計が重なって成立するものです。汗腺だけを完全に選択的に破壊する治療ではなく、腋窩皮膚・皮下組織に対する制御された熱作用の中で、汗腺領域に相対的に優位な熱損傷を生じさせる治療と考えられます。

治療理論
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