ウルトラセルZi:(ULTRAcel Zi:)
ウルトラセルZiは、HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound:高強度集束超音波)を用いたたるみ治療機器です。
HIFUとは、超音波エネルギーを皮膚表面ではなく皮膚・皮下組織内の設定した深度に集束させ、限局的な熱凝固点を形成する治療法です。美容医療においては、真皮層、皮下脂肪層、線維性中隔、SMAS近傍など、たるみや輪郭の変化に関与する層に熱作用を加えることで、組織の収縮反応や創傷治癒反応を促し、コラーゲン・エラスチン線維の再構築を期待するものです。
ただし、HIFUは「強く照射すればよい」というものではありません。効果と安全性は照射深度のみならず、エネルギー量、照射密度、ショット数、照射ベクトル、皮下脂肪量、骨格、さらには神経や血管の走行、過去の治療歴によっても大きく左右されます。そのため当院では治療前の診察と照射計画を重視し、院長が診察から治療、アフターフォローまでを一貫して担当いたします。

HIFUの基本原理
超音波を組織内の限局した領域に集束させ、焦点部位に熱影響を生じさせる技術ですが、美容領域で用いるHIFUは、がん治療などで用いられる強力な組織焼灼とは異なり、顔面・頸部の解剖に合わせて、比較的小さな熱凝固点または熱影響領域を多数形成していく治療です。
治療効果は、主に以下の要素から構成されます。
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照射直後に生じるコラーゲン線維の熱収縮
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数週間から数か月にわたって生じる創傷治癒反応を介した、真皮・皮下結合組織におけるコラーゲン・エラスチン線維の再構築
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照射条件によっては、皮下脂肪組織への熱作用
基礎研究では、HIFU照射後にコラーゲン線維およびエラスチン線維の増加、再構築が報告されており、老化皮膚モデルではCaveolin-1やp53関連経路の変化を伴う皮膚リモデリングの可能性も示されています。
一方で、HIFUの臨床効果は、照射深度、エネルギー、照射密度、照射範囲、皮膚厚、皮下脂肪量、骨格、年齢、過去の治療歴等に依存します。HIFUは熱作用と生体反応を利用してリフティング効果を企図する治療であり、フェイスリフト手術のように皮膚やSMASを剥離・切除し、物理的に移動・固定する治療とは本質的に異なります。
ウルトラセルZi:の特徴
ウルトラセルZiの特徴は、照射深度と照射モードの選択肢が多いことです。
従来のHIFU機器では、1.5mm、3.0mm、4.5mmなどの固定深度を使い分ける設計が一般的でした。これに対してウルトラセルZiでは、より細かい深度設定(0.5㎜単位)が可能となり、個々のケースに応じて照射層を調整することができます。
当院では、「何mmのトランスデューサーで照射するか」ということではなく、真皮、皮下結合組織、線維性隔壁、SMAS近傍、顎下脂肪層等の各層に、どのように熱量を配分するかを考えて照射設計を行います。
また、点状(Dot)照射モードの他に線状(Linear)照射モードも選択可能であり、広範囲の加熱による脂肪層へのアプローチや輪郭形成等に応用できます。
当院の治療の特徴
1. すべての方を院長が担当いたします。
HIFUは、照射深度と解剖の理解が治療結果に直結する治療です。画一的に照射するだけでは、十分な効果は得られません。また、不適切な照射をすれば、過度の疼痛、神経障害、過剰な脂肪萎縮などのリスクが高まります。
当院では、全例で院長が診察し、顔面全体の形態、脂肪量、皮膚の厚み、たるみの方向性、骨格、既往治療歴を確認したうえで、照射範囲・深度・ショット数を設計します。
2. 治療時に体位を変えてリアルタイムで評価します。
たるみは、臥位・仰向けに寝た状態だけでは正確に評価できません。座位での顔貌の状態を随時を確認する必要があります。治療中、複数回体位転換しつつ、リアルタイムで即時効果を確認し、それを基に、照射手技・戦術を調整します。
3. ショット数だけでなく、照射密度と照射設計を重視します。
十分な効果量を出すためには、一定以上の照射量が必要です。しかし、同じショット数でも、照射する層・密度・照射ベクトル・部位の設計次第で結果は変わります。当院では、単純なショット数の多さを競うのではなく、顔面解剖に基づいた照射設計を重視しています。
4.当院でのLinearモードの考え方。
Dotモードでは熱損傷は離散的になりやすいのですが、Linearモードは特定深度に線状・帯状に連続的な熱損傷を形成することが可能です。この性質を利用すると、顎下・下顎縁・フェイスラインのような輪郭ユニットに対して、熱量分布を幾何学的に設計することが可能となります。つまり、Linearモードは「脂肪を減らすモード」ではなく、Dotモードと合わせて、主にフェイスライン・顎下のような輪郭の明瞭化が審美的アウトカムにつながる部位に効果的な照射手技と考えています(より詳しく最後にまとめていいます)。
*HIFU(ハイフ)治療は、医師が行うべきであるという通達が厚労省より出されています。
本治療を検討されている方は、必ずドクター治療のクリニックにご相談ください。
当院では、すべての方を院長が担当いたします。
*厚労省よりの通達書面リンク
ウルトラセルZiが適応となる方
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フェイスラインが不明瞭
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顎下から頸部にかけて、皮膚・皮下組織のたるみがある
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中顔面から下顔面にかけて、軽度から中等度のたるみがある
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頬下部、マリオネットライン領域のたるみ
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真皮の弾性低下により、皮膚のハリ感が減衰している方
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低侵襲性のたるみ治療を希望される方
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コストを抑えたい方
ウルセラとの違い
ウルセラとウルトラセルZiはいずれも、集束超音波を用いて皮膚・皮下組織に熱作用を与えるHIFU系治療ですが、設計思想は異なります。
ウルセラは、リアルタイムの超音波画像で皮膚内部の層構造を確認しながら照射できるMFU-Vです。照射深度は主に1.5mm、3.0mm、4.5mmで、深部支持組織を精密に狙って照射することが可能です。
一方、ウルトラセルZiは、照射深度のみならず、Dot/Linearモードを使い分けられるHIFUです。1.5mmから6.0mmまでの0.5㎣単位の深度調整に加え、顎下やフェイスラインでは線状照射を用いた照射設計も可能です。皮膚の厚み、脂肪量、骨格、たるみの状況に応じて、より柔軟に熱量を配分できることが特徴です。
当院では、ウルセラを「画像確認機能を備えた精密HIFU」、ウルトラセルZiを「深度とモードを調整できる自由度の高いHIFU」と位置づけています。たるみの構造、過去の治療歴、希望する変化量、費用対効果を診察で評価し、適切な治療を提案します。
*エビデンスの厚みでは、現時点ではウルセラ/MFU-Vが上で、ウルトラセルZiについては、機器仕様としては魅力的ですが、ウルセラ/MFU-Vほどの大量の査読付き臨床文献があるとは言い難いのが現実です。ウルトラセルZi:は、operator-dependent な側面が強い治療機器と考えています。
ダウンタイム・副作用
HIFUは低侵襲性の治療ではありますが、リスクがないわけではありません。
臨床研究では、赤みや腫れ、圧痛、違和感といった一過性の副作用の報告が多いのですが、神経障害・しびれ等が生じたケースも報告されています。
起こり得る症状をまとめますと
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赤み
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腫れ・むくみ
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ミミズ腫れ様の線状浮腫
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圧痛・筋肉痛のような痛み
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皮下出血
また頻度の低い症状として -
一時的な知覚鈍麻
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神経刺激症状
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脂肪萎縮
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熱傷
多くは一過性ですが、一部は長引く可能性もあります。顔面には神経・血管・耳下腺・骨膜など重要構造が存在します。そのため、確かな解剖学的知識に基づいた、医療行為としての慎重な判断と施術が求められます。
治療を受けられない、または慎重な判断が必要な方
以下に該当する方は、治療をお受けいただけない、または慎重な判断が必要です。
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妊娠中の方、妊娠の可能性がある方
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ペースメーカー、植込み型除細動器を使用中の方
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治療部位に感染、炎症、皮膚疾患がある方
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治療部位に大きな瘢痕がある方
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金の糸、溶けない糸が入っている方
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顔面神経麻痺、知覚障害の既往がある方
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ケロイド体質の方
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重度の糖尿病など創傷治癒に問題がある方
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成長因子やバイオスティミュレータ注入後、しこり・結節等の問題がある方
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極端に皮下脂肪が少なく、こけやすい方
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その他、医師が不適切と判断した場合
過去の治療歴は、診察時に必ずお申し出ください。
治療費
当院のウルトラセルZiは、すべて院長が診察・照射を行います。
照射範囲、照射深度、Dot / Linearモード、照射密度、ショット数は、顔面形態、皮下脂肪量、皮膚の厚み、骨格、たるみの方向性、過去の治療歴を確認したうえで設計します。
全顔+顎下 165,000
頬+顎下 154,000
全顔 132,000
頬・フェイスライン 99,000
顎下・フェイスラインリニア 77,000
浅層メンテナンス 全顔 55,000
タッチアップ100ショット 33,000
※顎下・フェイスラインリニアは、皮下組織の状態や皮膚の厚みにより適応を判断します。
注)頬こけについて、HIFUは頬こけないがRFはこける、といった加熱技術と臨床的結果としての「頬こけ」は関連付けるのは、そもそも対象のカテゴリが異なり、不毛な議論につながります。
頬こけは、デバイス依存の現象ではなく、顔面解剖、軟部組織量、熱量分布、照射設計、経時的な組織反応が合成された形態学的アウトカムとして捉えるべきです。
Linearモードに関して
Linearモードの意義は「脂肪を減らすこと」と初期は言われていましたが、今ではその考え方は不適切であるとされています。抽象度を上げて表現すると、「熱損傷の空間配置を点状ではなく、線状・帯状へ変換したこと」であり、その本質は、energy modality の違いではなく、energy deposition geometry の違いということになります。つまり、「特定層に対して、離散的な点状熱損傷ではなく、連続性のある線状または帯状の熱量分布を形成できること」が意義であり、脂肪を減らすという臨床効果の階層の議論を持ち出すのは雑すぎます。
では、この熱損傷のトポロジーを変えることによる、臨床的な意義・有利性はどこにあるかというと、顎下・フェイスラインのように面として処理すべき部分ー形態アウトカムが「垂直方向に何mm上がったか」よりも、輪郭線がどれだけ明瞭になったかで評価される部位ーの治療に使用することにより、より大きな臨床効果を生む、と考えています。
逆に、中顔面のボリュームが元々少ない人に、漫然とLinearモードを同部位に用いるのは、理論的に不合理で、老化形態を強調する可能性があります。
治療計画において、Dotモードのみの場合、HIFU治療は「何mmに何shot入れるか」というレベルの設計になりがちです。しかし、Linear モードがあると、そこに「どの部位に連続性のある熱量分布を形成するか」という設計軸が加わることになります。基本的に、効果と安全マージンを考慮し、Dotモードをメインで使用しますが、特に下顔面輪郭ユニットに対しては、Linearモードを補助的に使用していきます(脂肪を減らすモードとしてではなく、顎下・フェイスラインにおける熱量分布を調整するための照射設計の一部として扱います)。
