top of page
​たるみ・シワ治療
​たるみとは顔面構造の複合的な変化

たるみは、単に「皮膚が伸びた状態」ではありません。
真皮の弾性低下、浅層脂肪の下垂、深層脂肪の萎縮、線維隔壁や支持靱帯の支持力低下、SMAS・広頸筋系の張力変化、骨格支持の減少が重なり、顔面全体の構造的バランスが崩れた状態です。

そのため、たるみ治療を
「HIFUで上げる」
「RFで締める」
「何ショット照射する」
という単純な論理で説明することはできません。

重要なことは、どの層が崩れているのか、どの層に熱を入れるべきか、逆にどの層を避けるべきかを判断することです。

顔面老化の理解は、かつての「重力で下がる」という単純な考え方から、顔面を構成する解剖学的要素に対する構造的理解へ変化しています。

たるみに関する要因別の問題
1. 真皮の変化

真皮内のコラーゲン、エラスチン、細胞外マトリックスは、加齢、紫外線、炎症、糖化、酸化ストレスなどにより構造的・機能的に変化します。その結果、皮膚の張力、弾性、復元力が低下し、細かいシワ、皮膚のたるみ、毛孔の開大、皮膚表面の粗さとして現れます。

この層の問題が主体であれば、深部を過剰に狙うよりも、真皮を適切に加熱し、再構築を促す治療が合理的です。

2. 皮下脂肪と線維隔壁の変化

顔面の皮下脂肪は、均一な塊ではなく、浅層と深層に分かれた脂肪層から構成されます。各層の脂肪は線維隔壁によって小葉状に区画され、支持靱帯によって皮膚や深部組織に固定されています。

加齢に伴い脂肪の位置・量・支持性が変化すると、頬の下垂やフェイスラインの不明瞭化、マリオネットライン、顎下のたるみとして現れます。 しかし、こうした変化に対して「脂肪を減らす」ことが必ずしも正解とは限りません。もともと脂肪量が少ない顔に強い熱刺激を加えると、こけた印象や疲労感、老けた顔貌につながる場合があります。

3. SMAS・広頸筋・支持構造の関与

SMAS・支持靱帯・広頸筋といった深部支持構造の張力低下が関与する場合、皮膚表面の治療だけでは十分な効果が得られません。真皮より深い層を含めた治療設計が必要であり、HIFU/MFU系治療はこの深部支持構造に焦点性の熱凝固点を形成し、組織の収縮と再構築を促します。

ただし、「深部に照射すれば必ず引き上がる」という単純な治療ではありません。骨格・脂肪量・皮膚の厚み・照射密度・照射方向を総合的に考慮した設計が不可欠です。

4. 骨格の変化・脂肪萎縮

加齢による顔貌変化には、支持構造の弛緩だけでなく、骨格の萎縮や深部脂肪の減少といったボリュームロスも関与します。 こうした変化に対して、機器治療だけで全てを補正することはできません。機器治療は皮膚・皮下組織・支持構造への熱作用を利用するものであり、骨格性のボリュームロスや高度な組織下垂を回復させる治療ではないからです。

​当院の治療方針

たるみ治療戦略・戦術の本質は、機器を選ぶ作業ではなく、顔面構造に対する治療設計です。

顔のたるみは、皮膚だけで起こるものではありません。真皮細胞外マトリックスの変性、浅層脂肪の下垂、深層脂肪の萎縮、線維隔壁・支持靱帯の張力低下、SMAS・広頸筋等表在性筋膜系の力学的変化、骨格支持の減少が重なって生じる三次元的な構造変化です。

そのため、当院では「HIFUかRFか?」「何ショットか?」という機器中心の考え方ではなく、どの層が破綻しているのか、どの層に熱を入れるべきか、どの層を避けるべきかを注意深く診ます。

HIFU/MFUは焦点性の熱凝固点を形成し、真皮深層から皮下組織、SMAS近傍の支持構造に点状の熱作用を与える治療です。
SUPERB™(Sofwave)は、深部支持構造ではなく、真皮を主な対象とする超音波治療です。
RF治療は、電場分布、組織インピーダンス、冷却、熱拡散によって加熱範囲が決まる治療であり、単に「周波数」で効果が決まるものではありません。

重要なことは、機器の優劣ではなく、顔面の層構造と組織特性に応じて、どの深さ・どの範囲に熱作用を集中させ、どの層を温存するかです(熱分布の合理化・最適化)。

当院では、顔面形態、皮膚厚、脂肪量、骨格、過去の治療歴、希望する変化、避けたい変化を包括的に評価し、院長が診察、設計、治療、経過評価まで一貫して行います。

強く照射することが良い治療ではありません。
必要な層に、必要な範囲で、必要な熱量を配分すること。
そして、加熱すべきでない層を温存すること。
これが、たるみ治療で最も重要なことであると考えます。

機器治療には限界もあります。重度の皮膚余剰、高度な組織下垂、骨格支持の低下、深部容量の減少が主体の場合、機器だけで十分な変化を得ることは困難です。その場合は、外科的治療、注入治療、または複合的治療の適応を含めて判断します。

当院のポリシー

当院では、2007年の開院以来、たるみ治療を含む機器治療について、院長が診察、治療設計、治療、経過評価まで一貫して行う方針を続けてきました。
同じ機器を用いても、照射設計が異なれば、得られる変化もリスクも変わります。

また、機器治療は、一回ごとの照射で完結するものではなく、診断、治療、経過評価、再設計を積み重ねる医療行為です。治療直後の変化だけでなく、数か月後から年単位での経過を確認し、実際の変化を次の治療計画へ反映します。

当院では、米国FDAクリアランスやCEマーキング等、一定の規制基準を満たした医療機器を中心に選定し、それぞれの機器の特性、適応、リスクを確認したうえで導入しています。
ただし、規制上の認証や適合表示は、すべての患者様に同じ効果を保証するものではありません。重要なことは、機器そのものではなく、患者様ごとの顔面構造に応じて、どのように治療へ落とし込むかです。

たるみ治療は、照射ではなく設計です。
当院では、長年の診療経験と経過評価をもとに、患者様にご満足いただける治療を提供すべく努力を続けています。

​注意
bottom of page